ワクチン“打ち手”の賃金格差 福岡市で5倍 看護師「同じ仕事内容なのに…不合理」 (22/05/12 19:55) 【TNC ニュース(福岡)】

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自治体がコロナワクチンの「打ち手」に支払う賃金の大きな「格差」が問題になっています。

福岡市の場合、その格差は実に5倍。

看護師からは「同じ仕事内容なのに…」と疑問の声も聞かれます。

▼宇部フロンティア大学看護学部・三隅達也 助教
「ワクチン接種という同一業務を歯科医師と看護師がやったとしても、賃金が違っているのは不合理なのかなと思う」

ワクチンの集団接種に協力する歯科医師と看護師の「賃金格差」を問題視するのは、2021年3月まで山口大学の附属病院で看護師として勤務していた宇部フロンティア大学の三隅達也助教です。

三隅助教が北海道から九州まで全国の22自治体を調査したところ、ワクチンの打ち手として協力した歯科医師と看護師の時給の差が最も大きかったのは、長野県飯山市で約16倍。

福岡市は歯科医師の時給は1万2500円、看護師は2500円で賃金の格差は5倍でした。

また、三隅助教が北九州市の賃金格差を調べるために情報公開請求したところ、歯科医師の時給、そして看護師の時給の部分のみが「黒塗り」になっており、情報は開示されませんでした。
 
▼三隅達也 助教
「ワクチン接種にかかった費用は国民が負担した税金なので、費用に関する情報は開示されるべきだと思う」

TNCがその後取材したところ、北九州市でワクチン接種に協力する歯科医師と看護師の時給格差は約3.5倍だったことが分かっています。

▼三隅達也 助教
「本当にこの賃金が妥当だったのか、適切な税金の支出だったのかという検証が、国民の側からできない。不開示にされたのは納得ができない」

この格差は法律で定められた「同一労働 同一賃金」の考え方に反しないのか。

法律の専門家に聞くと…

▼一坊寺麻希 弁護士
「これは基本的には民間の正社員と非正規社員の格差を無くすための法律であって、それは(ワクチン接種の賃金には)当てはまらないが、(同一業務で)待遇差というのは本来あってはならないという理念はあるので、そこが合理的な範囲内かどうか、法的には違法とまでは言えないが問題がある」

「明確な違法性はない」という見解ですが、看護師の側からは当然疑問の声が上がっています。

▼福岡県看護連盟幹部
「全く同じ仕事をする中で、歯科医師だから(時給が高い)というところは、どうなのかなとは思う」

▼福岡県看護連盟幹部
「トータルマネジメントをしているのはナース(看護師)だと思うし、(集団接種会場で)どれほど神経を使いながら実践しているのかということを考えると、やはり大きな差はあってはならないと思う」

福岡県看護連盟の塚崎会長は、クリニックを閉めてワクチン接種に協力する歯科医師への「休業補償」の観点なども考慮し、「単純に時給だけで比較するべきではない」としながらも、看護師の処遇改善が最優先されるべきだと訴えます。

▼福岡県看護連盟・塚崎惠子 会長
「この格差があっても、看護師が(打ち手として)行くというのは、それくらい看護師の賃金が低いということ。この格差を改善し給料を上げるためには、医療職3表(看護師の基本賃金)に手を付けないと改善できないと思う。看護に見合った給与体制ができれば良いと思う」

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