#7 There’s No Other (Like My Baby)【ロックンロールとハカタと、時々、スズ】

エンタメ

2018年放送のシーナ&ザ・ロケッツさんを題材にしたテレビドラマのなかで、シーナさんが若松の自宅で聴いていたレコード盤が、フィレス・レコードのデザインだったのは「細かいところまで気遣いされているな」と感動しました。
このドラマの中には、名門ジュークレコードの松本さんも登場してその当時、伝説のロック喫茶「ぱわぁはうす」でロック勉強会を開催していた様子が紹介されています。
某ロックなテレビ局でもおなじみの福岡を代表するポップ・マエストロ松尾清憲さんも「ぱわぁはうす」「ジュークレコード」の系譜になります。

フィレス・レコードは、1961年にレスター・シルとの共同で立ち上げたレーベルで、その第1弾シングルだったのがクリスタルズ名義の「ゼアズ・ノー・アザー・ライク・マイ・ベイビー」だったわけで、この感覚でも分かるように、スペクターという人は常人ではありません。
(※因みにこの曲は、後にビーチボーイズもカバーしています。気の置けない仲間内の楽しいパーティーでの一コマを演出した「ビーチボーイズ・パーティ」の中の1曲ですが、この手のバラード楽曲は、スペクターの得意分野で神業です。数年前に会話等のパートを除いたアンプラグド版CDが発売されています。…因みに全く関係ありませんが、ギターだけで、天神の路上で、この曲とディオン版の「ドリップ・ドロップ」を歌う若手ミュージシャンの卵がいたらめちゃくちゃカッコいいなと妄想したりします…)

さて学生当時、手に入るのはロネッツくらいで、たまにコンピ盤でクリスタルズくらいだった時に、水鏡天満宮横の古い木造2階建ての長屋にあった「セブンティーズ・レコード」で見つけた6枚入りシングル・ボックスのスペクターものには天地がひっくり返るほどの衝撃を受けました。
ライノでしたが、確か7,000~8,000円くらいの学生には結構高価でしたけれども、バイト代を叩いて購入しました。当時のロン毛の店員さんから「もし売るんだったら、うちで売ってね。高く買い取るけん。」と言われたことを思い出します。(※最終的には、名門ジュークで買い取って頂くのですが、ジュークの店員さんには「フィレスやったら…ね。」と言われました。その通りでして、これは仕方ありません。)

この時に初めてダーレン・ラブの存在を知ることになります。その衝撃の曲が、「スタンブル・アンド・フォール」で、60年代アメリカのソフト・ポップシーンを代表するソングライター・チームであるアンダース&ポンシア(本名:ピーター・アンドレオリ&ヴィンセント・ポンシア・Jr)の作品です。
私が音楽を聴いてきた中で、未だにこの衝撃を超える歌声と楽曲はありません。後にニューヨーク・タイムズは、彼女の声を「雷に打たれたような衝撃を与える声」と称しています。

そもそもダーレン・ラブは、スペクターの圧力で、クリスタルズの覆面シンガーやバックコーラスとしてあまり表に出られなかった人で、そのあたりは2014年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した「バックコーラスの歌姫たち」のなかで赤裸々に語られています。スペクターって本当に酷い人です…。

…おぉ、気が付けばBGMで、細野さんの「三時の子守歌」が流れてきました。夜も更けてまいりましたので、この続きは次回に…。次回は、スペクターお抱えのソングライター・チームについて語りたいと思っています。

ロックンロールって、本当に良いものですね。

【工房】ロックグラス 博多献上
https://htms.base.shop/items/29265299

ネットショップ「はかた錫スタジオ」では、私の師匠である田中勝「はかた錫工房」と共同で展開しています。
今回は、その「はかた錫工房」の人気商品「ロックグラス博多献上」をご紹介します。
伝統的な博多献上柄のロックグラス。お酒はもちろんフリーカップとして活躍してくれるグラスです。
(高さ:約7.0×口径:約7.2×底径:約6.5cm)
(重さ:250g前後)

錫は錆びにくく、銀のように黒ずんできたりしない金属です。また、長く観賞用として使用せずに置いてますと、これまた渋くてカッコいいブロンズ色になってきます。これも味があります。
いつまでも古ぼけずに円熟さを重ねるロックンロールのような感じがしてまして、数多あるロックンロール・アーティストの名曲を聴きながら独自のイメージで錫製品を作っています。
「はかた錫スタジオ」HP https://htms.base.shop

この記事について

「RR Rock&Roll HAKATA TIN」作家 / 村上 禎人
地元の福岡大学卒業後、博多の老舗百貨店宣伝企画から広告代理店を経て、錫作家・田中勝氏に師事
音楽の街/福岡から独自のRock&Rollをイメージした錫工芸の創作をスタート
創作する錫作品は、50~60年代アメリカのR&Rをイメージしたものが中心で、特にWall of Soundを嗜好し、敬愛するソングライターはEllie Greenwich、シンガーはDarlene Love、ミュージシャンはレッキング・クルーの面々。