#8 I Can Hear Music【ロックンロールとハカタと、時々、スズ】

エンタメ

スペクターお抱えのソングライターチームといえば、ブリル・ビルディング・サウンドと呼ばれる作家さんたちであるバリー・マン&シンシア・ウェイル(ワイル)、ジェリー・ゴフィン&キャロル・キングや、ピーター・アンドレオリ&ヴィンセント・ポンシアなどがいますが、私はなんといってもジェフ・バリー&エリー・グリニッチがダントツで好きなのです。

素敵なエピソードでは、ある日たまたまジェリー・リーバーの部屋に通されていたエリー・グリニッチが弾いていたピアノをジェリー・リーバーは、「キャロル・キングは来ているな。」とドアを開けるとキャロルではなく驚いた。そしてその時にエリーの並外れた作曲才能を感じたという話で、才能は奇跡を呼ぶということですね。

季節柄、クリスマス・ソングが巷に溢れていますが、数多あるその中でも最強のクリスマス・ソングは、ダーレン・ラブが歌う「クリスマス(ベイビー・プリーズ・カム・ホーム)」で異論はないと思います。勿論、ジェフ・バリー&エリー・グリニッチ(&スペクター)の作品で、スペクターのクリスマス・アルバムA面1曲目を飾るこの曲の破壊力は、凄まじいものがあります。あのアレンジで、ダーレン・ラブが歌ってこそ成立するという、シンプルな曲でありながら表現するにはとても難しい曲でもあります。

さてエリー・グリニッチは、始めはエリー・ゲイという芸名でシングルを出します。「チャ-チャ・チャーミング(Cha-Cha Charming)」ですね。「♪ワァ~オ、チャチャチャ…」あれです。魅力的なお声ですし、美人な方なのですが、余り受けなかったようです。

そして、ジェフ・バリーと結婚して夫婦でリーバー&ストーラの事務所でソングライターとして活躍していくのですが、魅力的なお声でもあり、レインドロップス名義でヒットも出しています。私もアルバム持ってました。

しかしなんといってもソングライターとして大成したのは、スペクターとの仕事になります。ボビー・シーンと、あのダーレン・ラブのボブB・ソックス&ザ・ブルー・ジーンズ「ホワイ・ドゥ・ラヴァーズ・ブレイク・イーチ・アザーズ・ハーツ」、そして誰もが知るクリスタルズの「ダ・ドゥ・ロン・ロン(Da Doo Ron Ron)」が大ヒットしていくのです。(※余談ですが、この「♪ダ・ドゥ・ロン・ロン」というのは、正式な歌詞が決まってなかった仮のもので、それをスペクターが気に入って正式歌詞にしたようです。)

他には、シーナ&ザ・ロケッツさんの「ユー・メイ・ドリーム」でもオマージュされている名曲「ビー・マイ・ベイビー」、ラモーンズでも聴ける「ベイビー・アイ・ラブ・ユー」、大瀧先生のナイアガラ・サウンドでも有名なジャック・ニッチェのアレンジが素晴らしい「アイ・ワンダー」、デキシー・カップスでも有名な「チャペル・オブ・ラブ」。これぞまさにロックンロールの名曲の数々です。

その中でも特に好きなものは「アイ・キャン・ヒア・ミュージック」。66年というスペクターが作る音楽と時代のズレが感じられてくる時期のこの作品は、どことなく寂しさがありながら、闇の中に微かな光を見つけることが出来るような作品です。デビュー前のフレディ・マーキュリーもカバーしたこの名曲は、ロネッツ、ビーチ・ボーイズと、どれも素晴らしい作品となって2020年の今でも輝き続けています。

ロックンロールって、本当に良いものですね。

【告知】
展示会開催します。新作も展示販売致します。
どうぞお誘いあわせの上ご来場下さい。

「福岡の手仕事 ステンドグラスと錫のうつわ展」

■期間 令和2年11月23日(月祝)~29日(日)
■時間 10時~18時(※初日12時~18時/最終日16時迄)
■会場 アクロス福岡2F 匠ギャラリー 入場無料

【工房】八角グラス
https://htms.base.shop/items/27884546

ネットショップ「はかた錫スタジオ」では、私の師匠である田中勝「はかた錫工房」と共同で展開しています。
今回は、その「はかた錫工房」の人気商品「八角グラス」をご紹介します。
八角柱の形をした小さめのグラス。斬新な意匠が人気の一品です。
(高さ約9.2×口径約5.7×底径約4.5cm)
(重さ:250g前後)
【はかた錫工房】

錫は錆びにくく、銀のように黒ずんできたりしない金属です。また、長く観賞用として使用せずに置いてますと、これまた渋くてカッコいいブロンズ色になってきます。これも味があります。
いつまでも古ぼけずに円熟さを重ねるロックンロールのような感じがしてまして、数多あるロックンロール・アーティストの名曲を聴きながら独自のイメージで錫製品を作っています。
「はかた錫スタジオ」HP https://htms.base.shop

この記事について

「RR Rock&Roll HAKATA TIN」作家 / 村上 禎人
地元の福岡大学卒業後、博多の老舗百貨店宣伝企画から広告代理店を経て、錫作家・田中勝氏に師事
音楽の街/福岡から独自のRock&Rollをイメージした錫工芸の創作をスタート
創作する錫作品は、50~60年代アメリカのR&Rをイメージしたものが中心で、特にWall of Soundを嗜好し、敬愛するソングライターはEllie Greenwich、シンガーはDarlene Love、ミュージシャンはレッキング・クルーの面々。